研究内容

主に以下のテーマに関する研究を展開しています。

アノード酸化プロセスと超微細加工技術

下図に示すように、金属や半導体材料を酸性水溶液(硫酸水溶液など)に浸漬し対極との間に電圧を印加すると、金属や半導体の表面には微細な細孔をもつ酸化物層が形成されます。この処理はアノード酸化(陽極酸化)と呼ばれています。アノード酸化は、古くから防食技術として広く用いられきました。現在でも、アルミサッシの表面処理などに用いられています。当研究室では、特に、アルミニウムをアノード酸化することで得られる「アノード酸化ポーラスアルミナ」が有する特異的な幾何学形状に着目し、アノード酸化ポーラスアルミナを出発材料とした微細構造の形成手法について研究を行っています。また、アルミニウム以外の素材(チタン,ガリウムなど)のアノード酸化プロセス、および、エネルギー変換デバイスへの応用に関しても研究を行っています。

 

機能性デバイスへの応用

ナノメートルスケールまで微細化された金属に光を照射すると、金属表面付近において自由電子の集団振動が励起され(局在表面プラズモン共鳴:LSPR)、金属ナノ構造体の表面近傍に高強度の光電場が形成されることが知られています。

このような高強度の光電場は、その応用範囲の広範さから、様々な光機能デバイスへの応用が提案されています。例えば、表面増強ラマン散乱(SERS)測定への応用が挙げられます。SERS測定によれば、吸着分子など極微量な物質の検出が可能です。そして究極的には、単分子の検出も可能になると期待されています。

当研究室では、アノード酸化ポーラスアルミナを出発材料として形成された金属ナノ構造配列のプラズモニックデバイスへの応用に関して研究を行っています。